FANTRY

渡邉 慶太

CTO

2016年入社

Keita Watanabe

Team Plofile

食の専門店を実店舗型のFANTRY STOREとオフィス設置型の冷蔵ショーケースの形にて展開。世の中の「個人最適」をつくりだすELEMENTSグループにおいて、「食」のジャンルに挑むプロジェクト。

─ 世界で最も近い「あなただけ」のパントリー

その人が欲しいものが、いつでもすぐに手に入る社会をつくることを目指すFANTRYチーム

「食」のジャンルにおける個人最適に挑むFANTRYは2018年の秋にプロジェクトが立ち上がった、ELEMENTSグループの中でも最も新しい事業だ。FANTRYの名前には自分に寄り添った「PANTRY(食料倉庫)」を自分らしく、自由に楽しんでほしい、という想いが込められている。

プロジェクト立ち上げ当初はELEMENTSグループに蓄積された指紋センサーを自動販売機に搭載し、指紋認証による決済を通じることで個人の食にまつわるデータの取得を想定していたが、自動販売機は街中やオフィスなどに設置するためのハードルが高かった。そこで、手軽に設置が出来る「冷蔵ショーケース」に形を変えることで、データの取得と可視化への取り組みをスタート。身近なコンビニやスーパーよりも近い、オフィス内やマンションの共有スペースにも設置が可能な、世界で最も近いパントリーだ。冷蔵ショーケースの開発を進める中で、全ての冷蔵ショーケースの物流拠点となるような、実際の小売店舗を自ら開業するプロジェクトが立ち上がり、三菱地所社の協力を仰ぐことで有楽町に1号店となる「FANTRY STORE」をオープン、2020年3月の出来事であった。

しかし、自らの手で行う実店舗の立ち上げは一筋縄ではいかなかった。実店舗設立の最大の目的は店舗での購買行動データを取得することであったが、まず、そもそもの店舗内のベースとなるインフラを整え、実店舗のオペレーションまでもを確立することは決して容易ではなかった。

しかし、オープンから1ヵ月後の2020年4月、緊急事態宣言の発令により、オフィス街から完全に人が消えてしまった。データの取得が出来ないことも大きいが、小売の在り方自体も大きな変化が進んでおり、渡邉は「コロナ禍で世の中が大きく変わり、今まで小売側の都合でしかなかった非対面・非接触での接客にユーザー価値が生まれ、ユーザーと店舗の『近さ』がより求められるようになった」と振り返る。そこで、FANTRY事業全体のコンセプトの大幅な見直しを図り、世界が激変している今のタイミングで、非対面、非接触且つ、自由で柔軟な出店を可能とする冷蔵ショーケースの事業拡大に専念をする方向に舵を切った。

─ 八百屋さんの店主のような「個人最適」な小売を取り戻す

FANTRYが抱える大きな課題のひとつとして、仮に完全に個人の好きなものが解析出来ても、その人の「ちょうど良い」タイミングでものを届けることが難しいことが挙がる。人件費などのコストの問題もあるが、1日の配送回数には限界があり、何よりも「もの」を切らさないためのオペレーションを組むこと自体が大変なのだ。デジタル上での開発だけでなく、物流の課題を解決する方も難しい。事業として、DevOps(実際の運用までを含めた開発)の動きを推進していくことを目下の課題として掲げている。

渡邉は「買ったことはないけど、この人はこの商品が欲しいと思うかも?」までがリアルの世界で分かる未来を描く。欲しいものが近くにあるのは当たり前で、ユーザーの未だ見ぬ「新発見」までもを生み出し、WEB上での商品レコメンドがリアルな冷蔵ショーケースの世界でも実現するような世界をつくりたい。あたなだけの「パントリー」であるからこそ、ユーザーが気づいていないニーズにも応える商品までもが並んでいるような状態が理想だ。

社会実装までにはまだ時間を要するかもしれないが、渡邉には明確なターゲットがある。それは、昔の商店街にいた、八百屋さんの店主だ。「昔の八百屋さんの店主は、顧客の好みの把握だけじゃなくて、『〇〇さん、良い大根が入ってるから、今夜の献立は〇〇なんていかがでしょう!』といった接客を自然にしていた」まさに、リアルな小売における個人最適な世界は既に実現していたのだ。小売が売りたい商品を置くのではなく、個人が欲しいものが置いてある小売こそが、個人最適。そんな、昔の八百屋さんの店主が自然にやっていた、小売が民主化された世界を取り戻したい。

小売が民主化された世界が実現すれば、それはユーザーの生活や健康面などにも還元できる。例えば、数日間不健康な食事をしている人に対して、「今日はサラダも食べましょう」と提言をし、風邪気味の人には免疫力があがるような商品を提供するような未来だ。

─ 未来のために、まずは仕組みをつくりたい

ELEMENTSグループのなかでも、まさに拡大期であるFANTRYはそもそもの仕組みを作るところから着手している。社会実装をするために必要な個人のデータ取得に加えて、世の中の様々なインフラもまだまだ足りていない状況だ。

これに加えて、渡邉は「大量生産・大量消費」の構造も変えていきたいと意気込む。今の小売の世界における、大量生産の先にある賞味期限を決めることで値引きを行い、廃棄を回避するシステムは根本的な問題の解決には繋がらない。シンプルに必要な分を必要なだけを作る、製造業のようなモデルを小売にも取り入れていきたい。しかし、これは1人の意識だけが変わっても、世界が大きく変わらないように、1社だけが取り組みを行ってもビジネスの世界は動かない。だからこそ、渡邉は開発や啓発活動だけではなく、根本的な世の中の仕組みを作ることに挑んでいる。

そのための第一歩はFANTRYとしての「チームの仕組み」を作ること。現在のチームは15名。営業や運用までを一気通貫で実施するビジネスサイドが7名に、エンジニアサイドが8名の少数精鋭チームだ。世の中の大きな仕組みをつくり出すために、まずは自分達の仕組みをつくる。渡邉の壮大な挑戦は始まったばかりだ。

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